Q:保険は効きますか?自費ですか? | 平成26年4月から腹腔鏡下スリーブ状胃切除術が保険適応で治療可能となっております。保険が適応となるのは半年以上の内科治療が無効、BMI35以上で糖尿病、高血圧症、脂質異常状などを合併する場合と規定されており、美容等が目的の場合は適応となりません。また、個室料金等の一部は自己負担が発生します。なお、スリーブ状胃切除術以外の手術(スリーブバイパス、胃バイパスなど)は自費診療です。 |
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Q: すぐに手術受けたいのですが? | 病的肥満症は手術だけで治療が成功するものではありません。手術は確かに高度肥満症治療の外科治療の重要なステップですが治療プログラムの一部でしかありません。安全に麻酔や手術ができる状況なのか、手術がベストの選択肢なのか、どのようなリスクがあるのかなどを十分検討した後、手術が行われます。通常、初診から手術までは最短でも3ヶ月ほどかかります。 |
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Q: どれくらい体重が減るのですか?リバウンドはしませんか? | 腹腔鏡下スリーブ状胃切除術や腹腔鏡下ルーワイ胃バイパス術は国内外のデータや私たちのデータから初診時の体重のおよそ30%を1年で落とす効果があります。平均ですから個人によってかなり開きがあります。私たちの施設でのデータでは1年で最大122kg、最小22kgでした。もとの体重にもよりますが、150kgの患者さんは平均50kg、120kgの患者さんは平均40kg減るのが一般的です。減量は術後1年半まで続きますが、その後は少しづつリバウンドしてきます。ただ、手術以外のダイエットに比べるとリバウンドはかなり緩やかです。術後1年半以降のリバウンドを防ぐためにも術後の通院は必須です。リバウンドしない食生活のパターンや運動しにくい体作りを術後1年間ですることが長期の成功につながります。リバウンドだけでなく長期の栄養障害などのモニターも必要ですので術後5年までの通院が必要約束できない場合は基本的に手術ができないルールとしています。 |
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Q: 危険性はないのですか? | 手術だけでなく全ての医療行為にはリスクがあります。一般的に全ての外科治療は生命に関わる合併症が起こる可能性がありますが、病的肥満症の治療を目的とした胃縮小術(スリーブ状胃切除)やバイパス術でも例外ではありません。手術の安全性とリスクについては手術を選択する前に納得いくまで担当医から説明をうけて理解するようにしましょう。ただ、日常、全身麻酔で行われている手術に比べてリスクが高いというデータはありません。欧米の統計では手術死亡率は0.2%未満と報告されています。 |
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Q: 結婚や出産は可能ですか? | きちんと管理すれば問題ありません。我々の経験でもこれまで術後に結婚された方も出産された方も何人もいらっしゃいます。妊娠・出産は可能ですが、手術を受けたことによる鉄分やビタミン、微量元素の不足に陥らないように管理する必要があります。そのためにも術後は生涯にわたる通院が望まれます。ただ、術後2年以内は様々な理由で妊娠出産は避けるようにしたほうが望ましいといわれています。 |
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Q: 入院期間はどれくらいですか? | 通常手術の前日に入院し手術から4日後または6日後に退院することが一般的です。ですから合計5日から7日の入院となります。ただし、術後合併症が起こった場合は入院が長期にわたる可能性もあります。 |
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Q: 仕事にはどれくらいで戻れますか? | 仕事の種類にもよりますが、腹腔鏡手術で行うため回復が早く、デスクワークや軽労働の場合は退院後すぐに仕事に復帰される方もいらっしゃいます。術後1月は身体の動きの制限はそれほど大きくありませんが、食事の摂取がかなり制限されますのでできれば術後1月はご自宅で療養することをお勧めします。 |
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Q: 術後の食事はどのようなものになるのですか? | 術後2週間は液体状のものやかなり軟らかいものだけの摂取しか出来ません。具体的には、お茶、コンソメスープ、味噌汁、野菜ジュース、ゼリー等です。術後2週を過ぎたら豆腐など少しだけ形のあるものも摂取出来るようになります。タンパク質の摂取が不足しがちなのでこの時期はマイクロダイエットなどのサプリメントを付加することもあります。術後4週以降は固形物も含め普通のものが摂取出来るようになりますが、一回で摂取できる食事の量はかなり少ないままです。術後の食事はこの治療が成功するかどうかにとって最も重要であるのでこの治療に精通した管理栄養士からその都度、詳細に指導がありますので安心してください。 |
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Q: 家族が反対しているのですが手術できますか? | 病的肥満症に対して手術は確かに効果的ですが、術前・術後の家族のサポートはどうしても必要ですのできちんとした説明をした後でもご家族の中に反対している方がいる場合は外科治療はできません。ご本人はもちろん家族も治療にあたるチームの重要なメンバーなのです。 |
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Q: 腎不全で透析を受けていますが手術できますか? | 病的肥満症に対する外科治療の主な目的は、高度肥満が原因で重要臓器の障害が起こるのを未然に防ぐことにあります。つまり、この手術の主な目的は将来起こりうる腎不全、肝不全、呼吸不全、悪性腫瘍などを防ぎ生命予後を良くすることにあります。既に心臓、肺、腎臓、肝臓などの機能が極度に低下している場合は、手術の効果が無いばかりか手術そのものが危険である可能性もあります。そのため、現段階では透析を導入された後には患者さんが得られる健康上のメリットよりもリスクが高くなる可能性が高いので手術は原則できないこととしています。同様にすでに腎移植手術などを受けられた後の患者さんつきましても現段階では手術の適応外としております。 |
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Q: 80歳で膝が痛くて運動できないので手術をどうしても受けたいのですが? | 国内外のガイドラインでは肥満減量手術の適応年齢を18歳から65歳としていることがほとんどです。60歳以上になると手術で得られるメリットがかなり少なくなることが知られています。一方、癌(胃がん、大腸がん、乳がん他)や炎症(腹膜炎、胆嚢炎、虫垂炎)などの場合は月単位あるいは日単位で病気が進み状態が悪化しますし手術の効果がリスクを上回ることも多いので手術適応に年齢制限はありません。 |
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Q: 検査入院があると聞きましたが? | 手術前の入院検査は原則不要で外来にて術前に必要な検査は全て可能です。具体的には、腹部CT検査、胃内視鏡検査、心電図、心エコー、呼吸機能検査、血液検査、検尿などです。しかし、全身状態が悪いか、超高度肥満のため通院が困難である場合は入院検査を行うことがあります。 |
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Q: 入院して食事と運動でダイエットすることはできますか? | 減量目的の入院は原則としてできません。手術を安全にできるようにするために術前に1週間ほど入院して不具合を調整することはあります。 |
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